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支援される側から
支援する側へ

特技×社会問題=事業誕生特技×社会問題=事業誕生

あっちで借りて、こっちで返せるレンタサイクル。

自転車に関するビジネスを調べていく中で、当時、欧米で大流行していた「シェアサイクル」という概念を知った。これは、街中にいくつか「ポート」と呼ばれるステーションを設置し、そのポート間であればどこで自転車を借りても返しても良いシステム。このシステムなら競合もいないし、お客様は別にホームレス支援をしたくて使うわけではなく、「自分が使いたいから使う。それが、いつの間にかホームレス支援にもつながっている」という形が作れる。自転車販売では納得いかなかった点をシェアサイクルが解決してくれたのだ。

しかもシェアサイクルという仕組みはそもそも、違法駐輪などの自転車に関する問題を解決するために取り組まれているもの。シェアサイクルを実施すればホームレス問題だけでなく、自転車問題の解決にも寄与できる。これであれば、おっちゃんたちも支援される側ではなく、支援する側、自転車問題を解決する担い手になってもらえるのではないか。そうなるとますます、働きがいを感じてもらえるのではないかという期待で胸が膨らんだ。

シェアサイクルを実施しようと思いたったはいいが、なかなか拠点となってくれる店舗やビルオーナーには巡り会えなかった。何百という企業や軒先に足を運んだが、たかが20歳の女子大生の考えに賛同してくれる人はそうそういない。
そこで、常設とまでは行かないが、1週間だけ貸してくれる場所を探して実証実験をしてみようと考えた。2011年7月、4拠点で実証実験を実施することができた。サービス名を「HUBchari」と名付けた。自転車の部品である「ハブ」のように、HUBchariポートが人と人が集まる交流拠点になればという願いを込めた。「こんなんあったら良いと思ってた!」そんな利用者の声を多数もらい、確かな手応えを感じた1週間であった。

実験の成功をもとに、HUBchariの事業化を決めNPO法人格を取得することにした。事業体制を整え、ついに、4名のホームレスの人たちが働くこととなった。川口がホームレス問題に出合ってから6年という歳月は過ぎていたものの、ようやく大きな一歩を踏み出せた瞬間であった。

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