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Scene.03

もう死ぬしかないと自殺を試みるも、死にきれない。野宿をする選択肢しか残されていなかった。ただ、路上で寝るのは怖くて、死に場所を求めるように一晩中歩きつづけた。昼間は公園や図書館で過ごし、夜はやみくもに歩く。睡眠をとらない生活をしばらく続け、体力も気力も限界に達していた。



なりふり構わず、野宿をしている人たちが何人かいるところで、自分も真似して寝てみることにした。『路上は硬いし、すごく冷たい。』 そう思ったけど、必死に目をつむった。疲れていたからすぐ寝られると思ったのに、道行く人の足音が想像以上にうるさくて、全然寝付けなかった。

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