<正社員に就きたくても就けなかった派遣労働者の割合>
厚生労働省「就業形態の多様化に関する総合実態調査」2019年
<住居を失い寝泊まりのためにインターネットカフェ等を常連的に利用する住居喪失者>
厚生労働省「ネットカフェ難民調査」2007年
Homedoorへの相談時に
「住居なし」と回答した人の、
主な生活拠点(2016年度)
少し野宿に慣れて、路上で寝ていたある日、「こんばんは。夜回りをしています。お弁当を持ってきました。」と声をかけられた。
野宿状態でも働ける仕事があることや、Homedoorが運営する個室型宿泊施設「アンドセンター」へ行けば、生活の相談や宿泊ができることを教えてもらった。
携帯電話も家もない自分が働けるのか心配になったけど、とりあえず話を聞きに翌日、事務所に行った。
一番の希望は「働くこと」。
アンドセンターに滞在しながら、Homedoorが企業や行政から受託する駐輪管理の仕事をすることになった。近い境遇の先輩が、丁寧にやり方を教えてくれて安心だった。
日払いで給料をもらいながら、一部を貯金して携帯を契約し、家を借りて就職活動をすることが目標になった。
数ヶ月後…自分の家を借りることができた。
家探しから家具や家電の用意、当面の食料を提供してもらい、引っ越し作業まで、Homedoorのサポートを受けることができた。次の仕事先も一緒に探してもらい、理解のある職場で働けることとなった。
相談後も、「おかえりチケット」を使って定期的にHomedoorにご飯を食べに行き、ちょっとした困りごとを相談している。
(上記ストーリーは、実際の相談ケースから再構築した内容です。)
代表の川口は、通学の車窓から見えるホームレスの人が多い地域「あいりん地区(通称・釜ヶ崎)」のことが気になり、14歳の時に、炊き出しに初めて参加しました。
そこで、決して自己責任でホームレスになったわけではないことを知り、今まで話したこともない人に偏見を持っていたことを後悔しました。その後、問題を知ったからには何かするべきだと、講演活動を開催し、友達を炊き出しに連れて行くようになりました。
しかし、それだけではホームレス問題は解決しません。路上から脱出したいと思ったら、誰もが脱出できる社会にしなくてはと、高校3年生の時に、1枚の絵を書きました。
その日から、ゆっくり休める個室があって、
その日から、栄養の取れる食事がいただけて、
その日から、働ける場所がある。
そんな場所がこの日本でたった1つでもあれば、路上で亡くなる命、守れるんじゃないか。
この夢を実現しようと、ホームレス問題の研究が進む大阪市立大学に進学。大学2年生の時に設立したのがHomedoorでした。
ある日、Homedoorで支援を受け、ホームレス状態から脱出できたおっちゃんがそう言ってくれました。
頼れる人も家もお金も仕事もなくて、自分ではもうどうしようもない時、とりあえずあそこに行けば、なんとかなる。
そんな場所を目指して、これからもHomedoorの挑戦は続きます。ぜひ、応援いただければ幸いです。
<2010年> | |
4月 | 任意団体としてHomedoor設立 |
8月 | あいりん地区(釜ヶ崎)で喫茶サービス「ココモーニング」開始 |
<2011年> | |
7月 | 就労支援事業「HUBchari」(ハブチャリ) 開始 |
10月 | NPO法人登記完了 |
<2012年> | |
3月 | 第8回キャンパスベンチャーグランプリ 「経済産業大臣賞」「ビジネス部門大賞」受賞 |
6月 | 世界経済フォーラム(通称・ダボス会議)Global Shapersに代表・川口が選出 |
9月 | 大阪市住吉区と協働でHUBchari運営開始 |
<2013年> | |
4月 | 大阪市北区と協働でHUBchari運営開始 |
9月 | 相談支援事業開始 |
11月 | 夜回り活動「ホムパト」開始 |
<2014年> | |
4月 | 就労支援事業「駐輪管理」開始 |
<2015年> | |
3月 | 「大阪府条例指定NPO法人」に認定(府内2番目) |
Google インパクトチャレンジ グランプリ受賞 | |
生活応援施設「ホット&ハウス」開始 | |
5月 | 日経ソーシャルイニシアチブ大賞 新人賞受賞 |
<2016年> | |
5月 | 生活支援事業「カットモデル」開始 |
8月 | 相談支援事業「相談ボランティア制度」開始 |
10月 | 宿泊施設「ホムハウス」提供開始 |
<2017年> | |
1月 | 大阪市より「認定特定非営利活動法人」(認定NPO法人)取得 物品寄付サービス「モノギフト」開始 |
2月 | 関西経済同友会・関西経済連合会主催 関西財界セミナー 「輝く女性賞」 生活支援事業「アンド食堂」開始 |
7月 | 青年会議所主催 第31回人間力大賞「内閣総理大臣賞」「グランプリ」受賞 |
<2018年> | |
4月 | 居住支援施設「アンドセンター」開設 |
11月 | ウーマン・オブ・ザ・イヤー2019「再出発サポート賞」受賞 |
<2019年> | |
3月 | 生活支援事業「Snapshot taken by Homeless」開始 |
<2020年> | |
8月 | 内閣府「女性のチャレンジ賞」受賞 |
9月 | ダイヤモンド社から代表初の著書出版 「14歳で“おっちゃん”と出会ってから、15年考えつづけてやっと見つけた「働く意味」出版 |
<2021年> | |
6月 | カフェ「おかえりキッチン」開店 |
10月 | 大阪市東住吉区・大阪市北区とシェアサイクル実証実験を開始 |
<2022年> | |
4月 | 写真集「アイム Snapshots taken by homeless people.」を出版 |
ホームレス状態から脱出したいと思ったら、その人の特技や性格に合わせて何種類もの支援メニューを提供できることを目指しています。その種類が豊富で、支援体制が柔軟であればあるほど、より多くの人のニーズに沿うことができると考えています。
ホームレスになりそうという時、どこに頼ればいいかわからない人が多いのが現状です。そこで、「困ったらあそこに行けばなんとかなる。」という認識を広められるように、また、無一文の状態で相談に来られても、その日から安心して住める部屋を用意し、ゆっくりと、その人のペースで困窮状態から脱出できるような宿泊施設の運営を行います。
日本の路上で、人が亡くなるの? と思われるかもしれませんが、大阪市内でもひどい時には年間200人以上が凍死や餓死で亡くなられたという報告がありました。また、襲撃事件もいまだに起きています。Homedoorでは、ホームレス問題に関する正しい認識が広まり、襲撃が起きないことを目指しています。また、路上から脱出したいと思ったら、脱出できるよう、全力でサポートしていきます。
Homedoorと出会って、3つの大きな学びがありました。
まずは「意志と行動があれば、少しずつかもしれないけれど、社会は必ず変わる」ということ。
そして、「ホームレスの人たちは、私たちの今の社会がもたらした結果であり、原因はむしろ社会の方にある」ということ。
3つ目は、「一度失敗したら立ち直れないのではなく、何度でも挑戦できる社会を作りたいと思った」ということです。
これからもHomedoorの活動を力一杯応援していきます!
川口さんは名言の宝庫です。
当社は、デザインやクリエーションを通じてNPOのブランディングをお手伝いしております。
最初に川口さんにお会いしたときに、物凄い数の支援メニューやお仕事が用意されていたのです。
「メニュー多すぎてわかりにくくないですか?」って尋ねたら、川口さんは「どんな立場の人でも選択の自由が豊富にあることが大事なんです」とキッパリと返答され衝撃を受けました。
そんなキッカケから始まったお付き合いも現在では出前サービスアプリ開発にまで及んでいます。
「知ったからには、知ったなりの責任がある」本当に川口さんは名言の宝庫です。
※2021年度年次報告書より抜粋