ホームレス問題は、ほかの社会問題に比べると、支援に対する理解が得にくい社会問題だと言われます。その背景には、(ホームレスの人は)「怠けている」「昼間から酒を飲んでいて自由だ」という偏見、「自業自得だ」「努力しないからああなるのだ」という自己責任論、(ホームレスの人には)「関わりたくない」「見て見ぬふりをしておこう」という「他人ごと」としてしまう意識などがあります。誤った理解から、本人に責任のある問題と捉えられてしまい、社会構造の問題であることが見えなくなってしまうのです。
残念なことに、誤解や偏見を持ったままホームレスの人に出会った人たちによる、襲撃や排除といった事件が絶えません。私たちは、多くの人が当事者の声を聞いて正しい知識を身につけ、「誤解と偏見」を「関心と理解」に変えていける機会を提供していきます。
年間約50本の講演・ワークショップを実施しています。学校・企業さまへ訪問させていただいておこなうもののほか、ホット&ハウスの見学や昼食づくり・ホムパト体験付きのプログラムもご用意しています。ホームレス経験のある当事者が体験談をお話しすることも可能です。予算や参加者の年齢、人数等に応じて柔軟に対応いたします。
・今ここにある「貧困」の現実
・ホームレス問題と日本の貧困ワークショップ
・みんなで考える、ホームレス状態脱出へのステップ
・就労困難者における中間的就労の有用性
・新しい公共の考え方とこれからの地域福祉
・社会企業家として生きる ほか
「今まで知識でしかなかったホームレス問題が『リアル』に感じられた。自分の中にあった価値観が変わった」(大学3年生、男性)
「勝手な決めつけでおっちゃんたちや西成を見なくなった。偏見でしめつけていた部分がなくなり、自分で何かしたい気持ちになった」(教員、女性)
「HUBchariの活動を知り、感動した。若い女性が世の中を良くしたいと一生懸命活動されている姿に自分にも何かできるのではと思った。まずはHUBchariを借りてみようと思う」(会社員、男性)
ホムドゼミはHomedoorの活動や公的制度の到達点と課題について、学術的な視点から整理し学会報告や成果物としてまとめるプロジェクトです。外部有識者を交え、独自の調査・研究活動をしています。
2022年には、Homedoorがホームレス経験者29名を対象に行ったヒアリング調査の報告「ホームレス当事者の生活歴と資源利用についての調査報告―大阪市のNPO法人Homedoorの事例から」が『大原社会問題研究所雑誌』2024年2月号(784号)に掲載されました。近年、若年女性や外国籍者など多様化するホームレスの実態や、制度の狭間に苦しむ当事者に民間支援団体がどのような役割を果たしているかを「当事者の声」から学術的に整理しました。

「どうしてホームレスになってしまうんだろう」「どんなサポートがあれば、ホームレス問題を解決できるんだろう」
子どもから大人まで誰もが気になる疑問について、現場でのエピソードや当事者の声を交えてわかりやすくお伝えします。学校で、勤め先で、地域で、ぜひ多くの人がホームレス問題を知る機会をつくりませんか。
より深く、体系的にホームレス問題を理解したい方には、HCネットが製作しているDVDや書籍がおすすめです。
1日30円~ホームレスの人のステップアップを応援できる「サポーター制度」を設けています。サポーター会員になっていただくと、毎年報告書をお送りするほか、ホームレス経験のある当事者の生の声が聴ける報告会にもご招待します。ぜひご登録ください。